将来のための新NISA、今の幸せを削りすぎていませんか?証券マンが教える「後悔しないお金の使い方」

投資

最近、新NISAが話題になり、投資、投資という空気になっていますよね。
僕の周りでも「月5万円積み立てを始めた」「将来のために今は節約して、ひたすら口座の数字を増やしている」という声をよく聞きます。

もちろん、証券マンとして資産形成を推奨する立場ではありますが、最近ふと思うことがあります。それは、「将来の不安を消すために、今この瞬間の幸せまで消してしまっていないか?」ということです。

お金はあくまで「手段」であって「目的」ではありません。今回は、投資ブームの今だからこそ考えたい、科学的に幸福度を高めるお金の使い方と、僕自身の恥ずかしい失敗談をお話しします。

1. 証券マンの僕が「見栄」で大失敗した話

本題に入る前に、僕の苦い経験を共有させてください。

数年前、周りの先輩や同僚がみんな高級時計を身につけていた時期がありました。「証券マンならいい時計をしていないと格好がつかないぞ」という付き合いもあり、僕も背伸びをして、当時の給料に見合わない高額な時計を買ったんです。

買ったその日は、確かに気分が上がりました。鏡を見るたびに「よし、これで俺も一人前だ」なんて思ったりして。

でも、その高揚感は驚くほど短期間で消えました。

結局、日々の業務で一番便利なのはスマホの時計だし、通知が飛んでくるアップルウォッチの方が圧倒的に実用的だったんです。高級時計は傷がつくのが怖くて気を使うし、メンテナンス代もかかる。いつの間にか引き出しの奥で眠るだけの「ただの置物」になってしまいました。

これこそが、幸福度が最も上がりにくいお金の使い方である「見栄のための消費」です。他人と比べるために使ったお金は、一瞬の満足感を与えてくれますが、決して長くは続きません。


2. 逆に注意!幸福度が上がりにくい「NGな使い方」

せっかく汗水垂らして稼いだお金、そして投資で増やした大切なお金。それを無駄にしないために、実は「避けるべきお金の使い方」というのも存在します。

「他人軸」で選ぶブランド品や高級車

僕の時計の例がまさにそうですが、「自分が本当に好きだから」ではなく「人から良く見られたい」という理由で買うモノは、手に入れた瞬間に幸福度が下がり始めます。他人との比較には終わりがないため、もっと良いモノを持っている人が現れるたびに、あなたの幸せは脅かされてしまうからです。

「管理の手間」が増えるだけのモノ

モノを買うということは、そのメンテナンスや片付けに「自分の将来の時間を差し出す」ということでもあります。たくさんの服、使わない雑貨、広い家。これらは所有しているだけで、掃除や整理整頓という「時間」をあなたから奪っていきます。モノの所有がストレスに変わるラインを見極めることが大切です。

「一時的な刺激」に依存する浪費

ストレス発散のためのドカ食いや、なんとなく続けているサブスクリプション。これらはその瞬間だけ脳を刺激しますが、あとに残るのは後悔や空虚感であることが多いです。心にぽっかり空いた穴をモノで埋めようとする使い方は、財布も心もすり減らしてしまいます。


3. 若い時の1万円と、高齢になってからの1万円は価値が違う

ここで、投資をしている皆さんにぜひ知っておいてほしい概念があります。それは、「お金の価値は年齢によって劇的に変わる」ということです。

同じ1万円でも、20代の時の1万円と、80代になってからの1万円では、引き出せる幸福の量が全く違います。

たとえば、20代でバックパックを背負って海外を回る1万円の宿代や、大切な仲間と夜通し語り合うための飲み代。これらはその後の人生観を大きく変えるような「自己投資」になります。しかし、80代になってから同じ金額を払っても、体力が追いつかなかったり、感受性が変わっていたりして、同じ感動を得ることは難しいのです。

投資の専門用語で「複利」という言葉がありますが、実は「経験」にも複利があります。若い時にした貴重な体験は、その後の人生で何度も思い出し、その後の判断や感性に影響を与え続けます。

「将来103円にするために、今の100円の価値を殺す」ことが、必ずしも正解とは限りません。今しかできないことに使う1万円は、将来の10万円以上の価値を生むことだってあるのです。


4. 幸せになれるお金の使い方には共通点がある

では、どんなことにお金を使えば、僕たちは心から満足できるのでしょうか。幸福度を持続させる使い方は主に4つに集約されます。

①「時間」を買うという発想

現代人にとって、お金よりも貴重なのが時間です。 たとえば、家賃が少し高くても職場の近くに住んで通勤時間を削る。あるいは、時短家電を導入して家事の手間を減らす。 こうして浮いた時間で、ゆっくりコーヒーを飲んだり、好きな本を読んだりする。この「心の余裕」こそが、投資で数字を増やすこと以上に人生を豊かにしてくれます。

②「モノ」ではなく「体験」に投資する

最新のiPhoneやブランドバッグは、手に入れた瞬間から価値が下がり始め、やがて飽きがきます。 一方で、大切な友人との旅行や、ずっと行きたかったライブといった「体験」は、時間が経つほど思い出という名の利息を生み続けます。

③「大切な人」のために使う

自分一人の贅沢よりも、誰かのために使うお金の方が、不思議と幸福度は高まります。 家族が好きなスイーツを買って帰る、友人の結婚祝いでちょっといいお酒を贈る。人間関係を温めるお金の使い方は、人生の満足度を底上げしてくれます。

 ④ 社会や誰かの「応援」にお金を回す

自分が共感する活動に寄付をしたり、地元の応援したいお店で買い物をしたりすることも、深い充足感を与えてくれます。自分のお金が世の中を少し良くしているという感覚は、生きる力に繋がります。


5. 投資と消費の黄金バランスを見つける

新NISAで月数万円を積み立てることは、素晴らしい決断です。でも、もしそのせいで友達の誘いを全部断り、食べたいものを我慢し続ける生活になっているなら、少し立ち止まってみてください。

80歳になって口座に1億円あっても、若い頃にしかできなかった「体力を使う旅」や「仲間とのバカ騒ぎ」を買い戻すことはできません。

証券マンとしての僕の提案は、こうです。

将来のための投資を自動化したら、残りの予算の一部は、意識的に今を楽しむための消費に回すこと。

特に、自分なりの「これは譲れない幸せ」を明確にしてください。

僕の場合は、高級時計にお金を使うのはやめましたが、大好きなランニングのシューズや、遠方の友人に会いに行く旅費には、一切出し惜しみをしないと決めています。


お金は「貯める」と「使う」のバランスがすべて

結局のところ、新NISAで資産を増やすのも、週末に美味しいものを食べるのも、目的は同じ「人生を少しでも良くしたい」という思いのはずです。

極端な節約で今をすり減らす必要もなければ、僕がやってしまったような見栄のために大金をつぎ込む必要もありません。大切なのは、自分にとって「何に1万円を払った時が一番納得感があるか」を知っておくことです。

将来の安心のためにコツコツ投資をしつつ、今しかできない体験には迷わずお金を使う。 この「攻めと守り」のバランスを自分なりに持っている人こそが、お金を一番賢く使いこなせる人なのだと思います。

口座の数字だけを追うのではなく、今の自分が「いいお金の使い方をしたな」と納得できる毎日を、一緒に目指していきましょう。

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